1.残業代はあなたがもらえる正当な賃金です。
本来、会社は従業員に対してサービス残業を強要することはできません。残業代は、あなたがもらえる正当な賃金です。
1日8時間以上、週に40時間以上働いたら残業代を請求できるのです。
労働基準法32条では、「使用者は、労働者に休憩時間を除き1週間について40時間を超えて労働させてはならない」「使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて労働させてはならない」と定められています。
※但し、1.商業、2.映画・演劇業、3.保険衛生業、4.接客娯楽業で常時労働者数が10人未満の場合は、1日8時間、1週間で44時間までと定められています。
但し、残業代を請求できるのは、さかのぼって原則2年間と決められています。
※もし、2年が過ぎてしまった場合でも、会社が賃金未払い分があることを認めた場合、残業代を請求することができます。その理由として、支払い請求権の時効である2年が経過していても、賃金不払いが明らかになった場合、会社は労働基準法違反に問われ刑事罰等を受けることになるからです。
あきらめないで、まずは弁護士にご相談下さい。
2.まずは証拠を集めよう
会社は残業代を支払いたくないのですから、あなたがどれだけ残業したか把握できる資料=証拠を自分が持っておかなければなりません。証拠としては下記のようなものが有効です。
ただし、2年をこえても認められる法律構成もありえますので、御相談ください。
○タイムカード・勤務表
タイムカードや勤務表があれば、コピーしておきましょう。○業務日誌・業務日報
業務日誌や業務日報をつけている人は、それらの提出・返却を求められても大丈夫なようにコピーしておきましょう。○残業時間中に送ったメールやファックス
残業中に送ったメールやファックスの送信時間も重要な証拠です。プリントアウトしておきましょう。○電車の回数券
(スルッとKANSAI、ICOCAやPASMOなど)電車の回数券の裏に、改札通過時間が印字されるものがあります。取っておきましょう。
○日記等
こうしたものがなくても、残業が続いていることを示す日記やメモがあれば重要な証拠となりますので、日記やメモをつけるようにしましょう。※もし、上記のような勤務記録を自ら取得できなくてもあきらめるのは早計です。会社の勤務記録は、会社にあるはずですので、裁判などを通じて、会社に勤務記録を開示させ、残業代の請求をすることも可能です。
3.サービス残業していませんか?
サービス残業とは、賃金不払い残業のことです。下記のような勤務状況で働いている場合、サービス残業である可能性が高いです。
名ばかり管理職
管理職という名前だけで、過酷な労働時間を強いられても残業代が支給されない人々を「名ばかり管理職」と言います。私の担当した康生産業事件(鹿児島地裁平成22年2月16比・労判1004号77頁)もその実例でした。
※法律上、残業代を支給されない管理職を「管理監督者」と言いますが、
その条件として
・出勤、退勤などの労働時間を管理されない
・経営者と同等に仕事内容について権限と責任がある
・給与を一般社員より多くもらっている
などが挙げられます。
もし、上記のような条件が満たされていなければ、例え役職名が管理職であって
も、残業代が発生します。
※「名ばかり管理職」になると、
・残業代はなし
・早出、残業は当たり前
・利益が出ないと給与カット
・休日が取れない
等、過酷な労働状況の中で働くことが常態化し、社会問題となっています。
残業定額型
どれだけ残業をしようとも、毎月一定額の残業額を支払うことで対応している場合です。この場合も、残業時間に見合った残業額を支払わなければなりません。
年俸制
年俸制で契約をしている場合、どんなに残業をしようとも年俸額以外は一切支払わないという場合です。時間外労働については、年俸に含まれている残業代以上の残業をした場合、残業代を払わなければなりません。上限設定・下限設定型
例えば、月10時間までの残業は会社で認めるが、それ以上は認めない。あるいは、月10時間までの残業は認めないが、それ以上になったら会社が認める、といったような場合です。この場合も、時間外の残業代が発生しますので請求が可能です。
4.未払い残業代を請求するには?
経験上、交渉や裁判を行うまでに資料が揃って残業代を正確に計算できるケースはすくないです。時効は原則として2年までで、早く弁護士に相談し、推計で内容証明郵便で残業代請求を出すべきです。
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