このページでは、労働事件に携わる弁護士として、その社会的意義や重要性についての考えをまとめました。
労働事件に携わる社会的意義
労災の分野は労働者の悲惨な事故、死亡が新たな裁判例・最高裁判例を動かし、それが労災の認定基準(行政基準)を変えてきた歴史があります。労働分野(特に労災分野)は理論が先にあることはまれで事実・現実に応じて理論や法制度が生まれることが多いので、弁護士としてのやり甲斐を実感できます。
したがって、行政基準や裁判例・最高裁判例を確定したもの・所与のものとしてとらえるのではなく、このような現実が裁判例・最高裁・行政基準を変えることを常に意識してあきらめずに戦うことが重要だと思います(戦っているうちに良心的な学者・研究者が応援してくれます。法制度の狭間の分野、未知の分野、先例のない分野ではやはり最後に裏付ける理論・知見もやはり重要になってきます)。
労使ともに影響・不利益の大きい問題
- 労働事件(解雇、配転、残業代、労災事故、過労死、過労自殺等)は、労働者にとって生死・生活の基盤に大きく関わる問題です。
使用者にとっても大きな不利益・手間・コスト(中小企業なら存続にも関わる、モラルダウン、イメージダウン、他の労働者への影響などなど)がかかってきます。 - 労働問題は経済的面だけでなく自己実現に関わる問題なので、熾烈な争いになる可能性が高いです。
労働者側は特に証拠確保が重要
- 使用者側に証拠も証人も偏在しているので、労働者側の弁護士として戦う場合、証拠をどのように確保するのかを一番最初に考えます。労働事例では特に客観的証拠を生々しく事実を語ってくれる証人が重要です。
使用者側のように指示すれば自然と証拠が集まるわけではありません。
また、現時点で証拠がないからといってあきらめないことです。(特に労災事件では徹底的な妨害に見舞われることを覚悟しなければなりません。 刑事の否認事件と同じです。協力者はゼロで主尋問はできず反対尋問しかない場合もしばしばあります。となると特に客観的証拠を軸に戦うしかないことが多いです)。 - 労働者側、特に労災における過労死・過労自殺の場合の費用の問題は切実であることは理解していますので、費用についてはざっくばらんにご相談ください。
- 問題に気付きそれに沿った証拠を収集できるかが勝負です。明日あると思うなその証拠です。(物証、証人・協力者)
- 相談者の方が当初思っていなかった戦い方を提案すること、求めることをそのままやらない方がいいことがしばしば起こります。特に労災事案では弁護士が主導すべきです。
- 状況は常に変化すると思って下さい。(解雇、配転、存命の労災と解雇)
- 一つの問題に拘泥しないで下さい。(解雇事案が残業代や労災、労災後も問題が派生します。)
- 実質が重要です。書面上戦えないと思えても十分争えることがしばしばです。使用者(会社)の揃えた書類にしばられないでください。相談段階で使用者側が一方的に用意した契約書の記載等の証拠は必ず保持してください。
ある意味、消費者事件と似ている面があります。(形式は揃えられているが、いかにその形式を実体面から突き崩すかが問われます。) - 使用者側は意外と打たれ弱いものです。立場の強い人間は逆の立場になると脆いことがしばしばです。
- 手続き選択の重要性(交渉、労働審判、仮処分、本訴、労災申請、証拠保全)に着目することです。ここでも依頼者の表面的な希望に流されず、使用者側に与えるインパクトと早期解決とのバランスを考えて手を打っていきます。
- 労働組合の活用については、メリットとデメリットがあるので慎重に行います。
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